SOHO'S REPORT
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2000/01/27 自然との共有

インターネットが普及し情報化社会が到来するとワークスタイルとライフスタイルに大きな変化をもたらす。オフィスへの通勤という概念は払拭され、場所 に依存しない働き方が可能になる。
つまり、情報通信技術を駆使して、自然と 共生するワークスタイル/ライフスタイルを実現することができなるようにな る。

佐賀県に脊振村というところがある。脊振村は、佐賀県の東北部に位置し、県立自然公園である脊振山の南斜面にひろがる農山村である。私も何度もかの地を訪ねたが、空気も美味しく四季も堪能でき、自然と親しむには格好の場所である。3年前に過疎対策として若者定住宅地造成事業を始めた。村営賃貸宅地をなんと「一坪当たり月額100円」という格安価格で貸し出すという企画である。さらに15年住めば土地と山林を無償譲渡するという。県内外の申込が相次ぎ19区画の募集に対し、抽選会には461人で争う大好評のものになった。

当選を機に在宅で仕事を始められた方がいる。
(有)草萌の吉田公氏である。
http://www2.saganet.ne.jp/soho/index.htm

パソコンの※1BTOのコンサルティング・販売を行う吉田氏の「私はSOHOというワークスタイルを選びました」という言葉には、強い意志が感じられる。福岡市内の会社で防犯機器の開発に携っていた吉田氏は「子供たちを自然の中でのびのびと育てたい」「自然へのあこがれ」「都市の弊害(通勤ラッシュな ど)に対するアンチテーゼ」として、100円宅地に応募した。 そして、インターネットとパソコンを活用したSOHOスタイルでの起業に至った。吉田氏は「仕事の継続受注など、不安定さはあるが、家族との時間も増え、現在のスタイルに満足している」という。

インターネットは、人間臭さや自然環境と無関係な印象を与えがちだ。しかし、どのように活用するかによって、実はより、人間と人間、人間と自然を結び付 けるものにもなる。バーチャルな世界と現実の世界の調和のとれたところにポスト工業化社会のあるべき姿がみいだせそうだ。



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