SOHO'S REPORT
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2003/05/08  グローバルコラボレーションとシンガポール


■情報化社会のビジネス環境
私は、情報化社会の新しいワークスタイル/ライフスタイルに関する提言をさ
まざまな活動を通して行ってきた。
その中で、クローズアップされるのはインターネットビジネスの環境整備である。
ボーダレス、セキュリティなど新たな対応を迫られている。
ポジティブに捉えるとグローバルコラボレーションによるシナジー効果である。
私は、アジアの中でシンガポールという国に注目することにした。
多民族、多文化国家でありながらトランスナショナルなビジネス環境が整備
されているシンガポールは情報化社会の手本となると考えたからだ。その考えに
至るまでの私の活動を簡単に紹介する。

■地域格差とインターネット
私は大学、就職と東京に10年住んだ後、1994年より地元の佐賀県に戻り父親が
経営する教材販売会社に勤めていた。
そこでは、「アジアとの交流促進」「起業」に関心があった私は、情報量、人脈、
距離間などの地方での課題に直面していた。インターネットの登場と普及は、
それらの課題を解決する新しい手法と考えた。
情報化社会の到来は東京一極集中を緩和し、国際化とスピード化を促進する。
私を含めた地方在住の有志のネットワークでインターネットをビジネスに積極
活用する試みを行った。

■SOHOというワークスタイル
国際化とスピード化の時代に適したワークスタイルとしてSOHO(Small Office
 and Home Office)について実践を通した考察を加えていった。
私自身も1998年にはITコンサルタントとして福岡県久留米市で自宅兼事務所の
SOHOスタイルで起業した。そしてSOHOアジアというホームページを開設し、
「SOHOの普及」「アジアとの交流促進」の情報発信を始めた。

SOHOアジア
http://www.soho-asia.com/

主に次のような活動を行ってきた。
・ IT戦略の立案
・ ITマネジメント
・ SOHOエージェント
・ Webプロデュース
・ キャリア交流プラザ、専門学校の講師
・ SOHO、インターネットビジネスに関する講演
・ 執筆

活動を通して明らかになったことは、SOHO事業者であるほどフットワークが軽い
ことやコラボレーションに積極的であることだった。
ITを活用するSOHO事業者はWebサイトや電子メールを介してのバーチャルな
コミュニケーションが多いように思われがちである。
それで、SOHO=孤独という課題がクローズアップされることがあった。
しかし、実際にはSOHO事業者はクライアントとのフェース・ツウ・フェースの
打ち合わせを大切にしていた。
情報化社会の進展は、血の通った情脈(情報+人脈)の重要性もクローズマッ
プされることになった。

■情報化社会とアジア的価値観
私はSOHOの普及とともに“アジア的価値観”が情報化社会にもたらす影響につ
いて注目してきた。
電通総研の価値観国際比較調査では、アジア各国は寛容性があるといっている

「アジア的価値観としての“勤勉・努力”、特徴的な“家族重視”、独自の“
自然観”、“寛容性”多くの国では自国社会を特徴づけるものとして、“家族
重視” “独自の自然観”“寛容性・柔軟性”があげられ、今後も大切にして
いくべきだと答えている。
各自の独自性を前提にしつつも、家族や自然を大切にする。異文化に対して寛
容であるという共通性は、これから21世紀にアジアの人々がどのような生き方
を選ぶか考えるとき、一つの基盤となるかもしれない。」(96‘〜98’価値観
国際比較調査 株式会社電通、電通総研)

私は、アジア的価値観には「調和」や多様性を受容する「寛容性」という特徴
を持つと考えている。
これはグローバルなネットワーク型組織のコラボレーションには大切な要素で
ある。

■シンガポールとグローバルコラボレーション
私はグローバルコラボレーションという観点よりシンガポールに注目した。
シンガポールは淡路島とほぼ同じくらいの小さな都市国家にマレー、インド、
中国などの多民族、多文化が共存している。
また、欧米企業のアジアの地域統括拠点としても重要な役割を担っている。
私自身強い興味を感じて2001年より活動の拠点をシンガポールに移した。

Taste Business Services Singapore
http://www.soho-asia.com/taste.html

情報化社会で血の通った情脈が重要であるならば、シンガポールはまさにグロ
ーバルコラボレーションの注目対象になると考えている。今後もシンガポール
のレポートを通して情報化時代のグローバルコラボレーションについて考察し
ていきたい。

[Profile] ━…‥・
 
飯盛 敦博(いさがいのぶひろ)/TASTE Business Services Singapore
1966年佐賀県生まれ。2001年1月よりシンガポール在住。
スタンフォードハウス内に九州の伝統工芸品を扱うショップをオープン。
伝統文化は創造的なものという考えでロイヤルティマーケティングを実践中。
e-mail taste@soho-asia.com
SOHOアジア
HP http://www.soho-asia.com
Taste Business Services Singapore
HP http://www.soho-asia.com/taste.html







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