SOHO'S REPORT
Backnumber
2004/4/8 コンテンツ産業育成に熱心なシンガポール


シンガポール政府はデジタル・メディア産業を高成長産業として位置付けして
いる。
2003年7月にMedia21ビジョンを発表し、国際メディア都市を目指すことを内外
に示した。背景には資源の少ない都市国家であるシンガポールはアジア地域の
インフォメーションハブとして最新のテクノロジーをリードしていくことが不
可欠との認識がある。
シンガポールには魅力あるコンテンツが少ないという指摘がある。デジタル・
コンテンツ産業育成の取り組み自体は早かった。1991年には世界に先駆けてブ
ロードバンド化を促進する「シンガポール・ワンプロジェクト」をスタートす
る。シンガポール・ワンに加入すると「広帯域用双方向マルチメディア」コン
テンツの利用が可能となる。しかし、利用者数は伸び悩んだ。その主な理由は
利用料金が高いこと、コンテンツが少ないことであった。

2003年4月に情報通信開発庁(IDA)が「コネクテッド・シンガポール」という
情報通信に関する3ヶ年計画を発表した。その中で一般家庭のブロードバンド利
用率を2001年の17.7%から2006年には50%に増やすこと、デジタル映像の取引を
2006年までに現在の150百万シンガポールドルから500百万シンガポールドルに
増やすことが盛り込まれている。この政策に伴い、2003年7月にMediaa21ビジ
ョンという、向う5年間で総額1億シンガポールドルのデジタル・コンテンツ振
興ファンドを発表した。そしてシンガポール政府は地域のメディア産業振興の

めの具体的な取り組みが始まった。

「フィルム・インキュベーター・プログラム」と「スクリプト・デベロップメ
ント・グラント」である。
「フィルム・インキュベーター・プログラム」は、初めて長編映画を製作する
人に予算10万シンガポールドルを支給する制度。「スクリプト・デベロップメ
ント・グラント」は年間16の優秀な台本の構想や草稿を対象に、最高6000ドル
の助成金を与える。
 また、短編映画のコンテストをウェブサイトで行っている。
BE A STAR ONLINE MINI-MOVIE CONTEST
http://www.ecelebrations.gov.sg/star/
「スターになろう!」というコピーはなんとも響きが良い。でも、実力はどう
であろう。
読者の皆さんも一度みてください。

今後は、日本のクリエーターにとってシンガポールは活躍の場となっていくか
もしれない。

 [Profile] ━…‥・

飯盛 敦博(いさがい のぶひろ)
TASTE BUSINESS SERVICES SINGAPORE
email: taste@soho-asia.com URL: www.soho-asia.com
飯盛敦博ラジオ出演!
BSラジオNIKKEI301   5月8日(土)  am 7:15~7:30
ラジオNIKKEI第一    5月11日(火)  am 7:15~7:30
(ラジオたんぱは、名称が、ラジオNIKKEIに変りました)
http:/www.radionikkei.jp
「田村文重の社長の寺子屋」という番組に出演しました。緊張していて何を話
したかはっきりおぼえていませんが、よろしければ聞いてみてください。



飯盛敦博 過去の記事タイトル一覧へ


メールはこちらまで。

soho asia トップページへ