SOHO'S REPORT
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1998/10/22 女性の社会参画とSOHO

私は今年度の福岡県久留米市の女性問題調査・研究の委託を受けています。
テーマは「SOHOとしての社会参画」を選びました。
そういう事もあって、社会と女性と関わりにいついて、今一番興味を持って取り組んでいます。
 
女性問題というと、何だか誤解され敬遠されがちですが、私は、基本的に女性問題は社会問題であり、女性だけに関するものではないと思っています。
男性も女性もなく、両者がよりよい社会生活を送れるのが、理想ではないかと思っています。
(そう簡単ではないですが・・・)そのためには、「女性問題がこうだ!」と叫ぶような事だけでなく、その問題点を解決するにはどうしたら良いか、具体的な提案をしていかなくてはいけないと考えています。それには、男性にも女性にも受け入れられる内容のものでなければと考えています。

では、健全な社会生活を送るために、何が一番必要だと思いますか?
私は、まず男性・女性の両者が精神的にも経済的にも自立できる事が、必要だと思います。
 
ここで、なぜ「精神的自立」と「経済的自立」をあげたのか、少し説明させてください。以前の女性は(永久就職という言葉があった時代)家庭内の事をして男性が働いて稼ぐという図式でした。確かにこの図式は、急激な高度経済成長を支える時代には合っていたものかもしれません。しかし、これには盲点もありました。それは、年金の問題です。この状態では男性一人分の支払いで、妻の分の年金も受け取りをするという形になっていました。つまり、支払いは一人分、受け取りは二人分というものです。国の財政困難の一部はここからも来ていました。

女性が社会に貢献し、なお且つ税金も納める事は国の財政の面から見ても非常に大きな役割だと思うのですが、女性が働き続けるためのバックアップ体制がほとんどない状態です。(これは、single mother/fatherにも同様の事が言えると思いますが、ここではその話しは省略させていただきます。) 

そこで、私は「SOHOの薦め」を考えていきたいと思っているのです。女性で結婚しても、働きながら仕事も家庭も両立させたいと考えている人は多くいます。(逆に、男性で、結婚するから仕事を辞めるという話しはほとんど聞いたことがありません。)しかし、会社の不理解などによって断念せざるをえない人がたくさんいらっしゃる事も事実です。産休、育休、介護休暇など、制度はあっても実際に活用するのはなかなか難しいものです。

しかし、SOHOはこれらの問題を解決する手段になると考えます。一度は家庭に入ったものの、何だか世間から取り残されたような気になって、焦りを感じていらっしゃる女性も多いはずです。また、自分の収入がないと、不安に思う方も多いと思います。
今は、やる気も才能も持ち合わせている女性の方々がたくさんいらっしゃいます。SOHOとしてやっていく事で、社会との関わりを持ち続けることもできますし、通勤時間などの、時間にしばられる事もなくなります。
 
「時間を自分で管理できる≒精神的自立」と考えられないでしょうか?
精神的に自立のできる人は、あとほんの少しの勇気と行動力さえあれば、SOHOとしてやっていける礎材があると思います。SOHOはまさに知的財産の有効な活用手段です。
SOHOとして活動することで、社会との関わりを持ち続け積極的な姿勢を保持できるのではないでしょうか。
 
私は、9月に退職し、SOHOとして活動する準備をしています。会社を辞めて一番よかったと思う点は、時間を自分の都合のいいように使えるという点です。通勤時間(往復3時間)がなくなり、心に余裕が持てるようにもなりました。会社勤めをしていた時は、書留や宅配便の受け取りは、いつも不在連絡表が入っていて、荷物が届くたびに気持ちが重くなっていました。それに、今までは会社の昼休みなど限られた時間を気にしながら銀行などにも行かなければなりませんでした。しかし、今は自由な時間に行くことができます。

また、もしこれから先、子育ての時間が必要になってきても、会社勤めよりは時間の融通がきくのではないかと考えています。
 
今、SOHOで頑張っていらっしゃる方々から、「そんなに甘くないよ」と言われるかもしれません。しかし、社会との関わりも持っていたい(社会貢献がしたい)、家庭も大事にしたい、もちろん子育ても、(場合となれば看護も)…となればSOHOとしてのワークスタイルは、最適ではないかと思うのです。私は「何かをするために、何かを諦めなくてはいけない」と言うのは、ちょっと違うと思うのです。

自分が楽しみながら、どれもできるように、なんとかやりくりして頑張りたいです。
私が実践する事で、周囲の皆さまから「なーんだ、あの人にもできるのなら、私にもできるかもしれない」と言われるくらい、気負わずに始められるような手助けになれればと思っています。
そして、女性と社会の関わりの一例として社会に認識されればと願っています。







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