今回は、シンガポールで活躍している日本人女性について触れてみたいと思う。 彼女の名前は、Yさん(34歳)としておこう。シンガポールにきて8年。 3年前に自分で会社をたちあげた。日本人向けの情報誌を作っている会社であるが、現在社員は3名。他に、ライターや写真家等の人達と契約の形態で仕事を進めている。 彼女は広告・取材・編集と何でもやっている。毎日夜遅くまで仕事をし、締切日との戦いである。日本だけでなくその他の国々へ出張も多い。仕事柄取材が多いそうであるが、彼女と連絡を とろうと思ってもいつもどこか別の国にいて、なかなか連絡をとるのが難しい。 彼女は、最初は日本の会社のシンガポール駐在員としてこちらへやってきた。 それから5年経ち、「これなら自分でもできる」と思って独立したのだという。いかにも簡単そうに言うが、その行動力には本当に頭が下がる。全て自分でネットワークを作りここまで作り上げたのだ。こちらには、同じような会社が3社あるが黒字経営であるのは彼女の会社だけである。 以前、彼女に「辞めてしまって、日本に帰ろうと思ったことはないのか?」と尋ねてみた。 すると彼女は「シンガポルは狭い国だから年も居ればもう飽きてしまったし、帰りたい気持ちもするが…日本に帰っても多分、年齢的にも仕事を見つけるのが難しい。それに、今やっているような遣り甲斐のある仕事は、日本では女性にはさせてもらえない。」と答えた。彼女の言葉は、日本の現状をそのまま映し出していると思った。彼女のように仕事に対して遣り甲斐を求めている女性は少なくない。しかし、自分がいくら頑張っても認めてもらえる会社は日本では少ないのではないだろうか。 こういう状況の日本で、自分の可能性を試すため、彼女のように単身でシンガポールに渡り 仕事を見つけている女性は多い。しかし、その一方で現実の厳しさに直面し帰っていく女性も多い。まして、彼女のように独立してやっている女性は非常に少ない。 こちらの人々は、駐在員できている日本人は2〜3年で帰ってしまい、せっかくいい関係を持ち始めれるようになったころに帰ってしまうのは残念だと思っているようだ。このことからも、彼女のように長期的に滞在し現地との交流を続けている人は非常に重要な存在だと言えよう。 今後、彼女は新規事業を始めるそうだ。今月もまたその準備のために日本へ渡る。現状に甘んじず、常に前に進もうとするその姿はとても眩しい。まだまだ未熟な私を叱咤激励してくれているようだ。 前回の記事にも書いたが、私が尊敬している女性もシンガポールに渡ってきた人であった。 彼女は、もう引退し子ども達がいるアメリカで暮らしているそうであるが、どうやら多くの日本人女性とシンガポールとは縁があるようだ。Yさんの他にも、いろんなことに頑張っている日本人女性、シンガポール人女性との出会いを期待し、今後も取材をしていきたいと思う。 |
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