SOHO'S REPORT
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2001/03/08 シンガポールの郵便事情

今回は、シンガポールの郵便事業について報告したい。
日本と一番違うのは、すでに民営化されているというところである。
民営後は、シンガポール国内であれば、ほぼ翌日には配達されているそうだ。

また、私が一番驚いたのは、S.A.S.(Self-service Automated Machines)というもの(銀行のATM機の郵便局版とも言える)を使って、以下のことができることである。

1. 電気・水道などの公共料金の支払い。
2. 郵便料金の測定(定形・定形外ごとに各郵便物の重さを量り、各国別の切手料金を表示)
3. また、その支払いも銀行のキャッシュカードでできるということである。

シンガポールでは、小切手を郵送して支払いをすることが多いらしく、また、日本のように銀行引き落としのシステムが浸透していないそうで、このS.A.Sを使っている人が多いようだ。
初めてこれを使ってみたときは、本当に驚いた。シンガポール人の友人に、「日本に郵便を送りたいから」と話したのがきっかけで、連れていってくれたのであるが、その時、郵便局の窓口には、長い列ができていた。それで、友人は「機械の方が早いよ」と言って、窓口には並ばずに、外にあるS.A.S.へと連れていったのである。

また、このシステムはインターネットを利用しても同じようにできる。さすが、生活にITが浸透したシンガポールだと感心した一瞬であった。また、これは郵便局が休みの時や、時間外の時にも使える。もちろん、CITYへ出れば、デパートの中にも郵便局が入っているし、休日に窓口が開いている確立は日本より高い。

日本であれば、その地域の中核にある郵便局が、休日に通用口のような窓口を開けていて、
書留などを受け取れるようになっているし、切手も機械で買える。
しかし、サービスの違いは大きい。
本当にシンガポールでは市民に便利なようなサービスが行き届いている。

「日本よりもずっと便利が言いい」と言った私に、現地の友人は、「ここでは、みんな働かなくてはいけないし、みんな忙しいから、より便利になるように改善されているのだ」と答えた。
先日乗ったタクシーの中国系の運転手も、同じようなことを言っていた。
「子供の教育にもお金がかかるし、ここでは夫婦とも働かねばならない。」

日本よりも更に学歴社会のシンガポールでは、教育熱心な家庭は多い。子どもに、少しでも
よい教育を受けさせようとする両親の元では、夫婦共働きで学校以外でも、家庭教師などをつけて勉強させている様子は日本と変わらない。でも、一番違うのは、男女の差ではなく、本当に学歴の違いで仕事が決まってしまっているということだ。
そのため、両親とも働くということが、ごく当たり前になっているようである。

しかし、そのおかげで便利なサービスが生まれるというのも羨ましい限りだ。
やはり、民間と公的機関の違いなのであろうか。日本でも、できないはずはないのであろうが、様々な規制がその妨げになっているのであろう。余談であるが、私の中では、ヤシの木は南国のリゾート地のイメージであるが、ここシンガポールでは、ビルや建物の間に大きく葉を広げ顔を覗かせている。この風景が、私には何ともミスマッチに感じられる。

多民族の入り混じった社会であるのと同じように、観光のイメージと先進国のイメージの両面をもつ。そして、どこの国もそうであるように、ガイドブックやツアーでは見られない、一般市民の暮らしがる。ガーデン・シティと呼ばれるには程遠い部分もあわせもつ。ビル群の喧騒があり、IT先進国であり、街にはヤシの木が顔を覗かせている。

この国は、まだまだいろんな顔を私に見せてくれるようだ。そのことを期待して止まない。






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