SOHO'S REPORT
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2001/03/29 シンガポールのMRT

ここシンガポールでは、MRT(Mass Rapid Transit)と呼ばれる電車が活躍している。
MRTは現在、全長85km、49の駅がある。現在も工事中のところも多く、数年後には、
もっと利便性がよくなるようである。

驚くことにMRTには時刻表はないが、およそ5分間隔で運行しているようだ。
乗り方は日本と同じように切符を買うのであるが、この切符は日本でいうテレホンカードくらいの大きさでデザインもいろいろのようだ。ただ、こちらでは、TransitLinkFarecardと呼ばれるもの
(JRのオレンジカードのように料金前払い制のカード)を使う人が多い。ただ、日本と少し違うのが、カードの利用形態である。シンガポールでは、料金の追加をして同じカードを継続的に使うことができる。また、このカードはバスにも利用できる。MRTに乗る時は表側、バスに乗る時は裏側を通すと金額の清算をしてくれる。

カードには3種類、Adult, Children/Student, Senior Citizen とあるが、ここでは、Adultを例に
とり説明したい。最初に購入する際、カード代S$2.00.-とS$10.00.-分の料金として合計S$12.00.-を払う。(利用できるのはS$12.00.-分である)日本と同じように、オートゲートを通るが、出る際には、カードの残高が確認できるので、カードの残高が少なくなったら、TransitLinkの窓口で、S$10.00.-やS$20.00-など自分の希望する金額を加えて再利用することができる。
もちろん、その時にカードの現在の金額も確認できる。また、この窓口がないような小さな駅には、またしてもATM機のように、銀行のカードを使って金額を付加してくれる機械が設置されている。もちろん利用に際してのレシートも出てくる。またしても、シンガポールの機械化には驚かされる。これで、窓口に並ぶ時間がなかったとしても、いつでも利用可能だ。

日本では、残高が少なくなったカードをいくつも持っていて、どれを使えばよいのか迷うようなことが何回もあったが、そういうことにもならずに済む。また、テレホンカードやバスカードなど回収ボックスに自らもっていかない限り、ごみとして処理されてしまうが、このシステムを使えば、
カードがごみとして扱われる絶対量もかなり減るだろう。この、カードを継続して利用できるシステムは、一度カードを買えばそれをずっと利用でき省資源にも役立っていると感じる。

付属として罰金について説明したい。
日本では、「車内への危険物の持ち込みは禁止します」とアナウンスされていても、それを犯したとき具体的にどうなるのかなど不明である。その点、シンガポールでは、バスもMRTも持ち込み禁止のものは明らかに、その種類によって「罰金いくら」と大きく表示されている。
違うバックグランドをもつ多民族が共存していくには、罰金制を導入して、誰が見ても分るような公平な判断基準を設けた方がよかたのかもしれない。

ちなみに、シンガポール独特だと思うのは「ドリアンの持ち込み禁止」である。ご存知の方も多いと思うが、ドリアンは「キング・オブ・フルーツ」と呼ばれているが、独特の香りがある。ホテルなどもそうであるが、公共の交通機関にもドリアンの、あの、強烈な香りは懸念されているのだろう。
 
シンガポールは、日本に一番近い外国と言われているようであるが、本当に日本の物であふれていると感じる。食品もほとんどのものが手に入るし、日本食レストランもたくあさんある。日本食が恋しいということは今のところ私にはない。このような国で、あの「ドリアンの持ち込み禁止」のマークを見るたび、「あぁ、シンガポールにいるのだ」と実感している今日この頃である。






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