SOHO'S REPORT
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2001/04/26 シンガポールでの職環境(?)

私とシンガポールの出逢いは、6年前に始まる。オーストラリアに滞在していた際、6部屋ある大きな家に住んでいた。その時、5人のシンガポーリアンと一緒に住む(シェアする)ことになったのがその始まりとなった。それまでの私にとって、シンガポールのイメージとは「アセアン諸国の一つ」くらいしか認識がなく、本当に知らないことが多かった。しかし、シェアメイト達と話していくにつれて、私が日本で悩んでいたことが、日本特有のものであること、また私がいかに狭い世界しか知らないのか、ということなどを認識していくきっかけとなった。私が、シンガポールで働きたいと思うようになっていったのは、いろんな目を開くきっかけを作ってくれた彼らの影響が大きい。

当時のシンガポールは私にとって、男女の差別なく職業をもっているというイメージであった。
その理由に、男性は2年から2年半の兵役義務があり、その間に女性が先に社会に出て行くことになる。これに伴い、同じ年齢でも女性の方が社会では先輩であるということが必然的に生まれ、社会でも対等であるということ。また、「ホーカーズ」と呼ばれる屋台があちらこちらにあり、シンガポーリアンの多くはそこで食事を済ませることが多く、仕事が終わった後に食事の準備に追われることがないこと。また「アマ」とよばれるメイドを雇い、家事全般をまかせていられるということを聞き、働く環境として、とても魅力的に映っていた。

しかし、実際にシンガポールにやってきていろんな事情が分かってくると、疑問点も多く見えてきた。まず、女性の社会進出が日本よりも進んでいるように見えるシンガポールでも、その女性を支えているのは、シンガポールにメイドとしてやってきている外国人女性労働者(その多くは発展途上国)によって支えられているということであった。これは、非常に複雑な問題である。母国に仕事がないという理由で、家族と離れ家族を支えるためにメイドになるということは日本では考えられないだろう。日本とはまた違う問題点が残されていると感じる。シンガポールも日本と同じように、根本的な問題は解決できていないと認識した方がよさそうである。

親が子ども達の「躾をしなくなった」弊害は、シンガポールでもいろいろといわれているようである(これは話すと長くなるので、また別の機会に…)が、(ちなみに、シンガポールでは「日本人の子どもは躾が悪いと」と悪評が高いそうだ…)、シンガポールも日本もまだまだ問題解決の途上であるのだろう。これは女性が社会に出てまだ時間が経っていないということの証拠なのだろうか。これからも、様々な問題が現れ、改善を必要とされることが多く残されているのだろう。

現在のところ、私の印象は、シンガポールも日本も「どちらがいい」という判定は難しいという
ところである。

今は、ワークスタイルもライフスタイルも物凄いスピードで変化している。その変化に対応できる施策を打ち出すことができる国が、これからの時代を生き残ることができる国になるということなのかもしれない。今後、シンガポールと日本がどのように変化していくのか興味をもって追跡していきたいと思う。






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