SOHO'S REPORT
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2001/05/10 リフレッシュの方法

シンガポールに来て早4ヶ月。やっとこちらの生活にも慣れてきたと思っていたところ、
「常夏の国」の『真夏』がやってきた。在星長い友人に尋ねてみると、4月〜7月にかけてが
最も暑く、これからが益々暑くなっていくのだそうだ。常夏の中にも変化があり、それに慣れるにはやはり一年はかかるらしい。「冬は大嫌い!年中夏だったらどんなにいいだろう」と思っていたが、年中夏、しかも湿気が高いとなると、春や秋に感じていた「乾燥したここちよい風」が懐かしく思える。多少疲れ気味だなと思っていたら、リフレッシュできるものを見つけていないことに気付いた。

こちらにいると、小さい国故、週末の予定というものが極端に限られてくる。そう!「ショッピング」しかないのだ。最初は、もの珍しさも手伝っていろんなところへ行ってみた。しかし、もう行動範囲も決まってきてしまった。現在、新たな休みの日の過ごし方を考えなくてはならないと思っているところだ。

日本に居た時は、九州という土地柄だったからであろうが、自然に接することや車で移動することが多かった。一番近場では、筑後川の河川敷へ行き、ただ、ぼ〜っと過ごしたり、キャッチボールやバトミントンをしていても、突然車が出てくる心配もなかった。

ということで、私の年中行事を紹介してみると…
春…近くの公園での花見。有田陶器市、三河内焼「はまぜん祭り」
夏…唐津の海(ここで、映画「グラン・ブルー」の元となった、ジャック・マイヨールさんに会った
ことがある。彼は、毎年夏になると唐津を訪れるそうだ。
彼のファンの方は、一度訪れてみると、会えるかもしれないですよ)。
地元の夏祭り・花火大会(花火を見ながらBBQ)
秋…鍋島藩窯まつり(大川内山)。紅葉を探しに、秋月や有田へ。
冬…温泉めぐり(武雄や湯布院など)

また、今右衛門古陶磁美術館、九州陶磁文化会館等の季節ごとの展示会、
深川製磁が経営する「チャイナ・オン・ザ・パーク」など日帰りで行けるところも多かった。
書き上げてみると、私はやはり、「器好き」なのだと実感する。実は、デパートなどで食器を買ったことがあまりないのだ。ほとんどが、こういった陶器市等、季節限定の催しの際に出かけて行き購入しているのだ。我が家の食器は全てどこで買ったか覚えている。(例えば、このお茶碗は98年の鍋島藩窯祭りで購入したもの、という様に。)その方が大事に使うし、食事の時も「どの食器を使おうかな…」という楽しみがある。

私は、器(古い物も新しい物も両方とも)には、作り手の気持ちが入っていると感じる。
大好きな作家の作品を見ることが、美術館で絵画を鑑賞するのと同じように、いろんなエネルギーを吸収したり、感動したりするのだ。様々な器を見ている時は、日頃のストレスも忘れていろんな考えも浮かび、新たな活力となる。そういう点で、私にとって有田や伊万里という町は相性がよかったようだ。

他にも、長崎市も大好きで時間があればよく出かけた。
異国情緒たっぷりの町並みを散策したり、少し山手の方になり歩くことになるが、幕末に活躍した坂本竜馬が日本で最初に作った会社「亀山社中」、竜馬の銅像が長崎港を見下ろす公園などへも足をのばした。

遠くまで出かけなくても、九州には見所や史跡があっていいなと実感し始めていたところで、シンガポールにやってきたのであった。今は、日本での四季折々の年中行事を懐かしく思っている。

人それぞれに、リフレッシュの方法は様々であろうが、自分に一番いい方法を見つけることは、仕事を続ける上にも人間関係をスムーズに進めるためにも、必要不可欠なことだと実感している。

自律神経が磨耗している状態では新しいアイデアも生まれないし、ましてや人間関係などうまくつきあえない。

人は、住んでいる場所から100キロ程離れると、ヒーリング効果があると感じるのだそうだ。
ゴールデンウィーク後で疲れ果てているあなた。
今度の休みは、もっと近場で、リフレッシュできるものを見つけに行って見ませんか?






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