SOHO'S REPORT
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2001/05/31 シンガポールで感じる継続力

今週のお題は「継続力」である。正直言って、このテーマは難しいと感じる。

私は、今まで何回も転職経験があるし、趣味も長続きしたと思えるものもあまりない。
シンガポールに来る前はガーデニングにこっており、ベランダを如何に美しく飾るか考えるのが
楽しかったが、こちらに来てからは全く環境が違うのでやっていない。

こちらに来て感じることは、仕事に関して言えば、「長く続けることがいいこと」という評価ではないということだ。

例えば、ある会社の経理部に3ヶ月勤めていたと仮定しよう。
日本での評価は、「3ヶ月しかもたなかったのか」というものであろうが、シンガポールでは、
「3ヶ月の経理経験がある」という職務経歴として認めてもらえるのだ。

「ところ変われば」で仕事に対する考えも評価も違う。こちらではJob Hoppingと言って転職は当たり前であり、逆に、同じところに長く勤めているのは、その人に「能力がない証拠」だと見られるそうだ。有能であれば、よそからお声がかかるのが当然、というようである。

そのせいか、現地の人たちは向上心が強いと感じる。私の周囲の多くは、大学を出ていても、
「MBA」等を狙って夜間や週末に、大学へ通いながら勉強している人が多い。
こちらでは、学歴で収入の差がはっきり決まっているので、よりよいポジション・収入を目指す人は、現状に満足することなく、「さらにその上」を狙っているのである。日本でいう「課長」や「部長」クラスの人でさえ、さらに上を狙って勉強しているのだ。この辺が、日本とは認識が全く違うところだと感じる。「会社に居れば安心」というようなものではないのだ。厳しい環境である。

ここシンガポールでも、若い人には仕事があるが、年配の人には仕事がないという日本と同じ状況が生じている。時代の流れが早い中、企業は即戦力を重んじている結果であろう。

こういうことを考えると、「継続力」と言っても、いろんな捉え方があると感じる。確かに、一つのことを長くつづけるということも継続力であろうが、私が、シンガポールで感じる「継続力」は、「競争力・努力」というものにも映る。さらに上を狙うためには現状を常に打破していく努力が必要なのだ。それに負けてしまえば、そこで終わり・・・なのである。

ここには非常に厳しい世界が待っているようだ。






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