SOHO'S REPORT
Backnumber
2001/09/20 3周年に思うこと

1998年10月に、この日刊SOHO’S REPORTが刊行されて、もうすぐ4年目に入ろうとしている。3年前の刊行当時は、世間ではSOHOという言葉を知らない人も多く、その名を知ってもらうことが一つの使命のようであった。また、当時はSOHO、ベンチャー、テレワークの違いは何か、など議論も多かった。

アメリカでは、telecommuting(パソコンやファクスなどの情報端末を利用した在宅勤務)と呼ばれた。これは、最初は、育児期にあたる女性社員に働き易い環境を与えるために生まれたようであるが、それには、やはり会社にとって「重要な社員」であったからこそ、生まれたものであろう。
この働き方を導入する企業が増えてきているという背景もあって、日本でも、女性が働き続けることができる有効な手段と期待された。

そういう世の中が少しずつ変化していく中で、会社の肩書きでなく、自分自身の名前で勝負したい、と願う人達がSOHOという働き方に興味をもち、新しいワークスタイルとしてどうやっていくのか、必死に考えていた時代だったように思う。(現在もそうなのであろうが、少し停滞気味???)

この3年の間には様々なことが起こり、私達を取り巻く環境も大いに変化している。今やSOHOという言葉はある程度世間にも知れ渡った。しかし、企業がリストラを進めていくため、その受け皿としてSOHOを薦めるのは、いささか違和感を覚える。

ITバブルが崩壊し、経済状況は悪化するばかりである。こういう中で、日本のサラリーマン社会の構造が変わってきたのは確かだ。先日、某大手商社米国法人会長の講演の様子をテレビで垣間見た。彼はその中で、日本の社員に対してこう言っていた。「今後はもっと厳しい世の中になる。今から私の話を聞いて、自らをプロとして磨き、私の考えについて行けると思う方は残っていただいても構わない。しかし、そうでない『これは大変だ』と感じる方に対しては、会社は今後、あなた方を抱えることは出来ない。なるべく早く、自分で別の道を見つけていただきたい。」

また彼は、企業が生き残っていくためには、プロの集団であらねばならないという信念の元、
ヘッドハンティングで、優秀な人々を集めているそうだ。これは、会社が存続するためには、
『人材』ではなく『人財』が必要だということの現れであろう。

この会長が述べたように、企業に属する人こそ、よりプロフェッショナルなものが要求される時代になったのだとすれば、SOHOとして本当の意味で活動してきた人には、その活躍の場はもっと広がるのかもしれない。

原石も見つけてもらうためには、きらりと光らなければならない。仕事を続けていくには、人の目に留まることも必要であろう。そのためにも、自分をアピールできる能力というのも、これから必要なのかもしれない。






メールはこちらまで。


image1.gif
soho asia トップページへ