SOHO'S REPORT
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2001/09/27 Welcome Party

先日、アメリカ系の某運送会社(以降A社とする)のハイティー・パーティーに行ってきた。
このA社を利用してシンガポールにやって来た家族のwelcomepartyで、特に、見知らぬ土地で
何かと不安に過ごす奥さま方に、友人を作る機会を与えるというのが目的のようであった。

なぜ私がそれに参加したのかというと、A社を利用してやってきたアジア人女性から「一緒に行ってくれない?」と誘われたからだ。私は、どういうものか大変興味があり、直にOKと返事をしてしまったが、彼女は、「招待客のほとんどは西洋系の人だから、一人では行きたくない」というのであった。行ってみると確かに99%は西洋系の人達であった。60人から70人の出席者がいたと思われるが、アジア系と思われるのは、友人と私の二人だけ。その他、欧米・アジア以外からと思われる方が二人だけであった。

日頃シングリッシュに慣れている私にとって、欧米系の人達が使う英語を聞き取れるが非常に心配したが、何とか無事に過ごせたのでホットした。その中で、さすがに通常の集まりとは違うなと実感したのは、皆が自己紹介をする時に尋ねるフレーズである。「どこ出身ですか?(お国はどこですか?)」ではなく、「シンガポールに来る前は、どこにいらしたのですか?」!なのだ。
こういう挨拶が普通に使われているのをみると、ここにいる人達は、あちこちを転々としていて、
その通過点としてシンガポールにやってきたのだ。この国は本当にいろんな人達が混在する国なのだ、と改めて実感した。

ラッフルズホテルのハイティーということで、もちろん料理も楽しみであったが、私が楽しめた事が他にもあった。それは、中国系シンガポーリアン男性と結婚し、在星30年になるというオーストラリア出身の女性の講演であった。講演といっても、堅苦しいものではなく、いろんな道具や助っ人と協力(私もその一人に選ばれた)して、出席者に分り易く、文化や宗教・習慣の違いなどを説明するものだった。実際、彼女は四つの民族ごと(中国系、インド系・マレー系、西洋系、日本)のマナーやタブーについての本を執筆している。この国に滞在する際に、知っていた方がお互いの誤解を招かないとしてのアドバイスである。

ここで、彼女が話してくれた全てを説明することは難しいが、西洋人の女性が、東洋の文化や伝統を深く理解し、その橋渡しとして、本を執筆したり、講演を行ったりと、本当に素晴らしい活動だと感心した。その温厚な話し方や表情からも、西洋も東洋も同じ人間なのだという気持ちに溢れ、なんて素敵な人だろうと、彼女の人柄に、私はすっかり魅了されてしまった。彼女のような人が増えれば、誤解から摩擦が生じることもなく、もっと理解し合えるようになるだろうと思った。
彼女の講演が、このパーティーを盛り上げる一つの要因であったことは言うまでもない。

日系の会社で、このような催しが行われているということは聞いたことはない。
世界各国7回も引っ越したという友人も、こういう催しは、今回利用した会社が初めてだと言っていた。この、不況と呼ばれる時代でも、このようなサービスを行っている会社があるとは、非常に驚いた。なぜなら、もちろんハイティーの料金も全て無料。帰りには、お土産まで用意されていて、至れり尽くせりなのだ。それに、私はこの会社を利用していない人間にも関わらず、他のゲストと同じように快く迎えてもらった。

ここに出席した家族が、次回の引越しの際、このA社を利用すれば、元は取れるのかもしれない。しかし、新しい土地での生活に不安をもつ人々が、少しでも生活に入って行き易いようにと、この会を催した会社の趣旨は素晴らしいと思う。それに加え、表面だけでない、スタッフの方々の極め細かいサービスがあったからこそ、このパーティーも成功したといえよう。

この会社には、顧客のニーズを捉える、顧客の立場になって考える、という基本が徹底されているのではないかと実感した。どんな時代であっても、どんな業種・業界であっても、それが成されていれば自然と道は開けるのではないだろうか。






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