SOHO'S REPORT
Backnumber
2001/10/11 シンガポール物語(3

この夏、親しい友人が日本へ帰国した。その友人から、「日本では買い物しても宅配サービス
なんてないし、重たい荷物を持って歩いていたら熱中症で病院に運ばれた」とメールが届いた。彼女は、結婚後の新生活から7年という長期に渡りシンガポールで過ごした。どうやら、日本での生活に慣れるには、まだ、しばらくかかるらしい。今回は、この彼女のメールを基に、シンガポールのスーパーマーケット事情について書くことにしよう。

こちらでは、ウェットマーケットと呼ばれる、生鮮食品を販売する店が住宅地に隣接していて大変便利である。しかし、日系・フランス系・シンガポール系などのスーパーも非常に多い。そして驚くことに、日系以外のスーパーでも、ある程度の日本の食材は手に入る。これは、日本人の駐在員が多い、或いは、ここで日本食が受け入れられている証拠であろう。

その中で私がよく利用するのは、日系の大丸スーパーマッケットだ。お米をはじめ、日本の調味料や生鮮食品など、日本のスーパーと同じような品物が手に入る。品数も多く、思ったほど値段も高くない。しかし、私が大丸を利用しているのは、他にもいくつか理由がある。

1・宅配サービス(インターネットやファックス注文とは別のもの)
メンバーになれば、(登録料がS$2.00必要)S$60.00以上の買い物をすれば、無料で配達してくれる。しかも、午後3時までの買い物であれば、当日に届けてくれる。お米や飲料水など、重たいものや、かさ張るものは、このサービスを利用している。そのため、ここで買い物をするときは、まとめ買いが多い。また、このサービスを受けられるには、住んでいる地域が限定されているが、日本人が住んでいると思われる地域は、ほぼカバーされているようだ。このサービスを利用するようになってからは、身軽で帰れるので、他に寄りたいところがあったとしても気軽に出かけられ、本当に助かっている。

2・無料バスサービス
土・日曜日・祝日のみのサービスであるが、午前11時から午後9時まで、CityHall(中心部)の駅周辺から大丸まで10分毎に無料バスが走っている。(平日は、Shenton Wayと呼ばれる金融街と大丸の間を、午後12時から2時まで15分毎に運行している。)この2つのサービスを知るまでは、私は、重たい荷物をもって、炎天下の町を駅まで歩いていたのだ・・・。

他にも、紀伊国屋書店が入っており、日本の本・雑誌・文具なども購入できる。また、大丸では日本語で対応できるスタッフも多く、日本人向けのサービス(お中元やお歳暮の発送など)も充実している。英語が話せなくても生活できると言われる所以である。

ここは、私がオーストラリアに滞在していた時の環境とは大いに異なる。当時オーストラリアで、日本の食材を手に入れるのは値段も高く、それに、お店がある場所も遠く、車を持っていなかった私は、誰かに同行してもらわなければならなかったので、頻繁に買い物になど行けたものではなかった。それに比べると、シンガポールは本当に恵まれた環境だ。

ところで、日本では、購入したものをその日のうちに宅配してくれるという、サービスはあるのだろうか?高齢者向けサービスなどを除いては、このようなサービスはないのではないだろうか。

近年、郊外型のショッピングセンターが増えてきたとはいえ、買った荷物を駐車場から玄関先まで運ぶために、大変な思いをしている人は多いのではないだろうか。玄関口まで車を寄せられる家など、稀であろう。

こうやって記事を書いているうちにも、本日の買い物が届いた。今日も、買い物を済ませた後、宅配サービスを利用したのだ。もし、私が全ての荷物を持ち帰ったとしたら、恐らく疲れ果てて何もできなかっただろう。
インターネットショッピングを利用すればもっと便利では?と思う方もいるだろう。
しかし、ここはシンガポール。ショッピングが最大のレジャーなのだ。
この国で、ショッピングを取ったら、何も楽しめるものがないのだ。






メールはこちらまで。


image1.gif
soho asia トップページへ