SOHO'S REPORT
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2002/03/14 奇跡がおこるとき

私は、長い間尊敬し、一目お会いしたいと懇願していた人いた。その方の名は、
胡 暁子(おう あきこ)さんである。(シンガポール在住)タイガーバーム2代目社長、
胡一虎氏に嫁ぎ、星虎公司(Timas(ティマス)グループ)の社長や役員などを歴任し、
日本と東南アジアを結ぶ掛け橋をもって活躍されてきた方だ。日本国政財界、文化界に知己が多く、日系企業がシンガポールに進出する際にも、随分とお力添えされたとうかがっている。

私が胡さんを知るきっかけになったのは、一冊の本であった。
1996年、オーストラリアから帰国し、シンガポールについて色々と調べていた頃のことである。
私がシンガポールに随分と興味をもっていると知った友人の母が「この本を読んでみたら」と貸して下さったのが、胡さんの著書であった。それは、自分がこれから先どうしたらよいのか思い悩んでいた時期のことでもあった。

胡さんは、弱い人たちのために手を差し伸べたいと様々な活動をされてきた。
それも、自分が一生懸命に働いたお金を、惜しみなく社会のために使われてきたのだ。
シンガポール赤十字の副総裁を務められたこともあり、公私共に社会福祉家である。
私は、胡さんの本に大変共感し勇気を頂いた。その後も胡さんの著書を探しまわり(既に絶版)
もっていらっしゃる方をやっと見つけ出し、貸して頂いた。日本では成功事例となる男性はたくさんいるが、女性のモデルケースとなる人は少なく、私にとって本当に貴重な存在だった。
それだけではなく、日本人として学ぶ点も多く、その本はそれ以来私の心の支えであった。

私は、いつしか「胡さんに少しでも近づけるようになりたい。少しでも社会の役にたてるようになりたい。」そう思うようになっていた。そして、いつかチャンスがあれば「胡さんに会いたい」と思い、その日を夢見た。

そして、シンガポールにやってきた一年目、とうとうその日がやってきた。
まさか、こんなに早くその機会がやってくるとは思ってもいなかった。本当に驚いた。

自宅を訪問した際、ずっとお会いしたいと思っていたことを伝え、短いながらも私の経歴書を渡して帰った。また驚くことに、すぐに胡さんから電話を頂いた。「現在制作しているDVD作りに協力して欲しい」という内容のものだった。若い世代の代表として意見を聞きたいということで、「私でお役に立てることなら」と、恐れながら参加させていただくことになった。そのDVDは4月に発売予定である。詳細は未定なので分り次第ご紹介したい。胡さんに興味をもたれた方は是非ご覧頂きたい。

胡さんは現在も月に一度は日本へ、また半月は海外で過ごされる多忙な方であるが、それ以来時々食事にお誘い頂いている。その際よく言われることがある。それは「大変な事が多いかもしれませんが、是非やり遂げて下さい」と激励の言葉だ。この言葉を聞くと、私は是が非でも志を達成しなければならないと思う。私にとっては百人力の言葉なのだ。今はまだ、自分達の生活で精一杯で、情けない状況であるが、胡さんに一歩でも近づけるように頑張りたい。

今私は、人は強く念じていれば必ずその思いは届くのだと確信している。
私にとって胡さんは雲上人で、本当にお会いできる日がくるとは、夢にも思わなかった。
しかし、本当に実現したのだ。自分がやりたい事、自分の夢をしっかり描き、強く念じれば奇跡は起こるのだと私の例でもお分かりいただけると思う。

その胡さんから、日本の若い人達へメッセージを預かっている。
これは、次回紹介したいと思う。


胡 暁子(おう あきこ)さん:昭和三年、東京都生まれ。文化学院卒。
著書:「国際人へのパスポート 〜日本人への直言〜」 番町書房 1973年刊
「晴れもよし、雨もまたよし 〜ある国際女性の生き方〜」講談社 1984年刊
2冊とも絶版なので、図書館等で探してみて下さい。






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